小人のアリエッティは先祖代々、とある古い屋敷の床下で暮らしていました。小人たちは人間世界から、生活に必要な物資を借りて暮らす、「借りぐらし」をしています。「人間に見られてはいけない」という掟のもと、注意しながら生きていました。

ある日、心臓に疾患を抱えた翔という少年が、療養のためにやってきます。もともと人間が住んでいた家でしたが、子どもが暮らし始めたことでアリエッティの家族は警戒心を高めます。

その夜、アリエッティは父親とモノを借りに行く予定でした。アリエッティにとって初めての借りでしたが、なんとその最中に彼女は翔に見つかってしまいます。

『借りぐらしのアリエッティ』は、米林宏昌による初の長編ジブリアニメーション監督作品です。メアリー・ノートンのファンタジー小説『床下の小人たち』が原作となっています。

完成披露試写会で宮崎駿が「俺、泣いちゃった」と絶賛したことも話題になりました。

古い家の台所の下に住むアリエッティたちは、人間の世界から少しづつモノを借りてきて密かに暮らしている小人です。身体が小さいだけで、魔法などが使えるわけでもありません。

主人公のアリエッティは、両親と3人で目立たないよう、慎ましく暮らしていました。

アリエッティは、好奇心旺盛な14歳の女の子。人間や虫に対しても物怖じしない性格を持ちます。

小人たちは自分たちのことを「借りぐらし」と呼んでいます。それは人間の世界からモノを借りて生きているからです。あくまでも借りているだけで、盗んでいるのではありません。

翔はアリエッティが暮らす屋敷に病気療養のためにやってきた12歳の少年。生まれつき心臓が弱く、手術の前の1週間だけ祖母の妹である貞子の家で過ごすことになります。

穏やかで心優しい少年ですが、生きることに悲観的な姿勢を見せていました。

キュートな姿のアリエッティですが、なんとアリエッティはゴキブリだという都市伝説が囁かれています。なんとも驚きですよね。

原作のファンタジー小説『床下の小人たち』の舞台となっているイギリスは、ゴキブリをジャムにして食べていた歴史があります。

栄養価が高く、様々な病気の治療薬として役立つと言われていたようです。

1984年公開の宮崎駿監督作『風の谷のナウシカ』。終末世界を舞台に、蟲と呼ばれる巨大生物たちとの共存を模索する少女ナウシカの姿を描いた作品です。

ストーリーは全く異なりますが、『借りぐらしのアリエッティ』と何かつながりがあるのでしょうか。