2014年に宮崎駿監督の引退に伴い、スタジオジブリの制作部門は解散となりました。

クリエイターたちのひとり、西村義明プロデューサーは、米林宏昌の新作映画を作るために制作会社『スタジオポノック』を立ち上げました。

ところが2017年に宮崎駿が引退を撤回したことで、新スタッフを雇用し再始動しました。

宮崎駿が、アニメ雑誌「アニメージュ」誌上に連載していた漫画の劇場版アニメです。宮崎自身が、監督、脚本を務めました。

「火の七日間」呼ばれる大戦争から1000年。人類は、海（ふかい）と呼ばれる毒の森や、そこに住む虫たちに支配されながら生きていました。風の谷の族長の娘ナウシカは、人と自然の歩むべき道を求めながら、人間同士の争いに巻き込まれていきます。

1984年に公開された『風の谷のナウシカ』は、「スタジオジブリ」の制作ではなく、「トップクラフト」という制作会社が担当していました。その後、1985年に「トップクラフト」から、「スタジオジブリ」に改組されました。

「トップクラフト」はもう存在しない会社のため、ナウシカがテレビで放送されるときは「宮崎駿監督作品」と紹介されています。

『風の谷のナウシカ』の舞台は、火星なのでは？という都市伝説があります。これは作中の「錆とセラミック片におおわれた」という部分が、火星の地表を指すからです。

また作中に出てくる架空の飛行用装置メーヴェなどの小型機が飛べるのは、重力が地球の1/3しかない火星だからではないか、と噂されています。

ナウシカと、皇女クシャナの名前を、アルファベットで書いてみます。

NAUSICAA（ナウシカ）
CUSIANAA（クシャナ）

二人の名前を並べ替えると、何とお互いの名前になるのです。

腐海（ふかい）の世界のモデルとなったのは、ウクライナにあるクリミア半島のシュワージュだと言われています。

『風の谷のナウシカ』に登場する巨大生物であるオームの声は、エレキギターで録音されています。この演奏を担当したのが、当時BOOWYのギタリストだった布袋寅泰さんです。

本作で巨大人型兵器の「巨神兵（きょしんへい）」のデザインを担当したのは、大ヒットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の監督である庵野秀明氏です。

劇場版が公開された後、『風の谷のナウシカ』のコンピュータゲームが発売されていました。

メーヴェに乗ったナウシカが腐海の蟲たちを倒していくシューティングゲームだったようです。しかしその内容に宮崎監督は激怒し、それ以降ジブリ作品のゲーム化はされなくなったと噂されています。

1989年公開の映画『魔女の宅急便』は、角野栄子の児童文学『魔女の宅急便』を長編アニメーション化したもの。

魔女の血を受け継ぐ13歳のキキは、古くからのしきたりに従い、修行の旅に出ます。黒猫ジジとともにたどり着いたのが、海に囲まれた町コリコです。キキは、パン屋のおソノに気に入られ、パン屋の2階に居候しながら、配達屋を始めるのですが…。

実は「宅急便」は、ヤマト運輸の登録商標でした。そのことを知らなかったジブリに、公開の1週間前にヤマト運輸から忠告があったそうです。

慌てたジブリはスポンサーを要請したところ、最初は難色を示していたヤマト運輸ですが、トレードマークの黒猫が偶然にも『魔女の宅急便』にも登場しており、そのことからもスポンサーになることを了承したと言われています。

今では『忍たま乱太郎』の猪名寺乱太郎や、『名探偵コナン』の江戸川コナンなどの声を担当する、人気声優の高山みなみ。しかし当時は、声優3年目の新人でした。

そんな高山みなみは元々『魔女の宅急便』にウルスラ役で出演する予定だったのですが、キキ役がいなかったためオーディションを受けたところ、見事キキ役に抜擢されました。

その後、ウルスラ役の適任が見つからず、結局高山みなみで一人二役を演じることになったのです。主役級の2役を一人で演じていたとは驚きですね。

映画には「STUD GHIBLI」「GHIBLI」と書かれたバスが登場するシーンがあります。一瞬なので、気づいていない人も多いのではないでしょうか。

キキが配達した家の使用人「バーサ」は、キキを見て「ひいばあちゃんの言ってた通り」と発するシーンがあります。詳しくは映画『紅の豚』で解説します！