福原愛さんは1990年代から2010年代に活躍した日本の元卓球選手。現在は、青森大学・客員准教授、Tリーグアンバサダーを務めています。宮城県仙台市青葉区国見ヶ丘出身。「愛」という名前は、福原愛さんが生まれる1年前に亡くなった祖母「愛子」さんから一字をもらい付けられました。

父親は、当時宮城県仙台市で会社を経営2013年10月に逝去されています。母親は、元・卓球選手。10歳上にお兄さんがいる4人家族です。福原愛さんにとって、ご両親は親よりも卓球のコーチ。お父さんも「福原愛は娘であるが、自分の子どもじゃないという感覚がある」と話していて、お母さんも泣きじゃくる福原愛さんを容赦なく怒鳴りつけていました。

1998年にお父さんが経営していた不動産会社が倒産。1億4000万円もの借金が残り、当時小学生ながらに企業とスポンサー契約をしていた福原愛さんの収入が、一家の家計を担っていました。

2004年に、ご両親は離婚。離婚後も。お父さんは福原愛さんに金銭的に頼っており、福原愛さんは「これ以上、父に振り回されてはダメだ」とお兄さんを介して絶縁しています。

こうした家庭環境から、福原愛さんは子どもの頃から普通ではない家庭環境だったと言えますね。元卓球選手のお母さん、現役卓球選手のお兄さんの影響で、1992年(3歳9ヵ月)に、福原愛さんも卓球を始めます。

この頃から、平日は4時間、休日には8時間の練習を毎日こなしていました。週末には、有名な卓球クラブに出向き、泊まりがけで練習。4歳6か月で1000本ラリーが出来るようになるまでに成長しています。

卓球クラブ「仙台ジュニアクラブ」に所属し、初の公式戦は、1993年（4歳時）に開催された「宮城県小学生卓球選手権大会」で優勝。全国大会の同クラスでもベスト16に入っています。マスコミは、幼稚園の子が小学生クラスで成績を残していることに注目し、「天才卓球少女」と報道を始めます。

4歳のときの公式戦出場時に、泣き顔を見せた福原愛さん。のちにも泣いたのはこの時だけだったそう。これ以降、卓球の愛ちゃん」として注目されるようになりました。厳しい練習に泣きながら耐える姿や、試合中に不利になり始めると泣いてしまう姿から「泣き虫・愛ちゃん」とも呼ばれていました。

また、国際大会でも活躍するようになり中華圏では「小愛」（シャオアイ）や「瓷娃娃」（ツーワーワー）などとも呼ばれ親しまれています。マネジメントは、電通スポーツパートナーズ。2016年には、台湾の卓球選手の江宏傑さんと結婚。2人の子供を出産しています。2018年には、現役を引退。その後、2021年に離婚されました。

福原愛さんは、仙台市立吉成小学校に入学。小学生4年のときには、プロ宣言をし、ミキハウスと専属契約を結んでいます。これを機に仙台市より八尾市へ引っ越しをし、大阪の公立小学校に転校しています。小学生6年の時に、ITTFジャパンツアー一般の部に初出場し代表デビューを果たしました。

福原愛さんは、大阪の強豪である私立四天王寺中へ進学を考えていましたが、福原愛さんがプロ契約をしていたため、アマチュア規程により全中やインターハイなどには出場できないという問題がありました。

そのため地元公立中へ入学しましたが、1か月でスポーツの名門私立学校、青森山田中学校に転校しています。この中学は、中高一貫教育として開校されたばかりの学校で、卓球専用の体育館など施設も充実していました。

転校の理由は、ミキハウスJSCに所属したままプロ活動を続けたい福原愛さんの意向に、理解があったためとしています。中学の3年間は、世界各地のITTFプロツアーに多数出場。世界ランキングをどんどん上げいきました。

日本国内の高校以下では無敵、国際試合での強さも発揮し、国内シニアの選手にも勝利を収めることもありました14歳で2003年世界卓球選手権個人戦に抜擢され出場。日本勢で一人、ベスト8に進出しています。この結果翌2004年の世界選手権団体戦、4月のアテネ五輪アジア予選出場が内定となりました。

福原愛さんは、2004年4月、青森山田高等学校に内部進学。

高校時代は、オリンピックは夢の夢の夢の夢と話していた福原愛さんですが、日本女子3枠目の座を勝ち取り、史上最年少15歳で出場この時期には、長嶋茂雄さんの代役として、聖火リレーの最終走者も務めています。

2005年ミキハウスとの契約が満了し、グランプリとの契約を結びます。グランプリは福原愛さんが、青森山田高校に通うことを承認し、中国リーグに2年連続で参加することも支援しています。また、中国で最もレベルの高い中国超級(スーパー)リーグに参加。
遼寧本鋼チームと契約しました。

福原愛さんのお父さんは、高校卒業後、青森山田学園系列の青森大学を考えていましたが、福原愛さん本人が早稲田大学スポーツ科学部を志望。2006年に書類提出、面接を経て合格しています。

これは、トップアスリート入学試験によるものでした。2007年に、早稲田大学スポーツ科学部に入学。福原愛さんの入学を受けて、関東学連と日本卓球協会は、プロ選手が大学の大会に出場できるようにと規約改正を行いました。

しかし、同年に実施された春季リーグでチームは一部昇格することが出来ず、これ以来インカレ、リーグ戦に出場することはありませんでした2007年、全日本空輸（ANA）との所属契約。同時にグランプリとの4年契約を2年で終了したことを発表しました。

2009年早稲田大学卓球部での活動を休止し、海外で実施されるITTFプロツアーを中心に出場。日本では、サンリツ（物流会社）の卓球部員として日本リーグに参戦することになりました。卓球での活動のため、大学単位の取得が困難になり、2010年3月で早稲田大学を退学しています。