モデルになったキャラクターは、大ヒット映画『千と千尋の神隠し』に登場するカオナシだと言われています。

『千と千尋の神隠し』の制作時、カオナシのシーンの作画を担当していた米林。その画を見た鈴木敏夫が「麻呂にそっくり」と言ったことがきっかけと噂されています。

しかしその後のインタビューで米林は、噂をキッパリ否定。「モデルというよりカオナシに自分が似ていただけ」と語っています。

『借りぐらしのアリエッティ』には、アリエッティと翔が別れた後にまつわる都市伝説も存在します。

翔は心臓が生まれつき弱く、手術を受ける前に屋敷で過ごすことになりました。「死ぬのは僕の方だ」との発言により、手術は失敗し、翔は亡くなってしまったのでは？との説があります。

その他、翔の手術は成功したものの、アリエッティと会うことはなかったという説も存在しています。

滅びていく小人族、生まれつきの病に苦しむ少年。両者とも絶望を抱えている中、お互いに触れ合い、生きる意味や希望を見出そうとします。

企画・脚本を担当した宮崎駿は「小人たちの慎ましい生活や、生産者としての暮らしを描くことは、意味があるのではないか」との言葉を残しています。

運命に逆らうことはできませんし、生きていれば困難にぶち当たることもあるでしょう。そんな時に自分なら現実と向き合い、希望を見出すことができるでしょうか。

様々な見方がある作品ですが、生きる勇気を与えてくれる映画だと思います。

小人と人間の触れ合い、滅び行く運命、重い病、家族愛…『借りぐらしのアリエッティ』には、さまざまな要素が込められています。

また「人間に見られてはいけない」との掟がある中、翔に出会い、恋したアリエッティ。翔もアリエッティに恋心を抱きます。二人の揺れ動く関係に、胸がきゅんとなります。