1943年に公開されたディズニーの短編アニメ『総統の顔（そうとうのかお）』は、1942年度アカデミー短編アニメ賞を受賞するなど高評価を受けました。

しかしディズニー映画の中でも、当時の独裁国家を描いたプロパガンダの要素が強い作品としても知られています。

本作の舞台は『ナチランド』という空想上の独裁国家ですが、これは当時のナチス・ドイツをイメージしていると言われています。

70年以上前に制作された作品なので、見ていない方も多いのではないでしょうか？

今や世界的に人気のキャラクターであるドナルド・ダックが、本作の主人公です。ナチス式敬礼をしたり、軍服を着て、砲弾工場で働いたりするシーンもあります。

キュートでお茶目なドナルドのイメージとは異なりますね。

1996年公開のディズニー映画『ノートルダムの鐘』は、小説『NOTRE-DAME DE PARIS』が原作となっています。原作と映画ではエンディングが異なり、映画はハッピーエンドで終わります。

映画では、主人公カジモドの友人のエスメラルダは、青年フィーバスと無結ばれますが、原作では異なります。

原作では、エスメラルダはどうしようもないダメ男と結婚した後、無実の殺人容疑をかけられてしまいます。カジモトはエスメラルダを助けるために教会の聖域に連れて行くものの、司祭クロード・フロローにはめられ、結局エスメラルダは吊るし首になります。

そしてカジモトはエスメラルダの遺体に寄り添って墓に埋まり、息絶えるというストーリー展開なのです。

1950年公開の映画『シンデレラ』は、グリム童話が原作となっています。原作には、過激な描写が多く含まれていたのです。

映画では父親が亡くなったことで、シンデレラは義理の姉たちに召使いのような扱いを受けます。しかし原作では、父親が存命にも関わらずシンデレラの扱いはひどいものでした。

例えば、父親は義理の姉たちにはドレスなどのお土産を買ってくるのですが、シンデレラには木の枝でした。

1937年公開の『白雪姫』は、グリム兄弟による童話が原作です。ある程度忠実に作られていますが、映画にはない恐ろしいシーンがあります。

邪悪な女王は毒リンゴを使う前にも、白雪姫を窒息死させようとしたり、毒を仕込んだ櫛を用意したりと、何度も殺しを試みました。

結局白雪姫が毒リンゴを食べ、息絶えます。白雪姫はガラスの棺に納められ森の中に置かれたのですが、その白雪姫をプリンスが見つけ、持って行くことにします。召使いたちが棺を運ぶ中、ある拍子に白雪姫の喉に詰まった林檎が飛び出し、息を吹き返します。そして王子は白雪姫にプロポーズし、結婚式をあげることになります。

その結婚式には、邪悪な女王も招待されたものの、罰として灼熱の鉄製靴を履かされ、死ぬまで踊らされることになったのです。

2010年公開の映画『搭の上のラプンツェル』は、グリム童話の『ラプンツェル』が原作です。原作には、映画には存在しないシーンがあります。

原作では、王子と出会う前、ラプンツェルは妊娠していたのです。それに気づいた魔女はラプンツェルの髪を切り落とし、ラプンツェルを荒野へと追放します。

魔女はラプンツェルの髪を使い王子を騙し、塔から王子を突き落とします。そして王子は失明します。

その後、ラプンツェルと王子は再会。ラプンツェルは大泣きし、それによりプリンスの視力が回復します。

2009年公開の映画『プリンセスと魔法のキス』は、ジュブナイル小説『カエルになったお姫様』をベースに制作されています。

映画では、ニューオリンズに住むティアナが、カエルの姿になった王子を助けるためにキスをしたところ、自分もカエルになってしまいます。そしてカエルになった二人は恋に落ち、結婚することを決めます。そして最後はキスによって人間の姿に戻るというストーリーです。

しかし原作では、カエルから人間に戻るためにより過激な方法が使われたといいます。

1991年公開の映画『美女と野獣』は、フランスの民話『美女と野獣』を元に制作された作品です。

原作では、主人公のベルは、野獣から1週間離れ、家族と過ごすことを許されます。しかしベルが自宅に滞在する間、姉妹が豪邸で暮らすベルに嫉妬し、ある計画を立てます。

それはベルを予定よりも長く滞在させることで野獣を怒らせ、野獣にベルを食べさせるというもの。しかしこの計画はうまくいきませんでした。良かったです！

1940年公開の映画『ピノキオ』の原作『ピノッキオの冒険』には、映画には存在しない残酷描写が存在します。

原作には、ピノキオが、コオロギのジミニー・クリケットを殺害するシーンがあります。そしてクリケットはピノキオに忠告するため、幽霊となりました。しかしピノキオは忠告を聞かず、キツネやネコから痛い目に遭うのです。

そしてピノキオはネコの肉球を噛みちぎるというシーンも登場します。