アニメ映画『火垂るの墓』は、野坂昭如の短編小説が原作となっており、原作者自身の戦争原体験を題材した作品です。

舞台は、兵庫県神戸市と西宮市近郊。太平洋戦争のさなか、親を亡くした14歳の兄と4歳の妹が、終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとする姿、残念ながら死を迎えていく姿を描いた感動の名作です。

本作の主人公。14歳

家も焼け、母親も亡くなったため、幼い妹の節子と一緒に親戚の家に行くことになります。しかし徐々に叔母と折り合いが悪くなり、節子を連れて家を出ます。兄妹は近くの防空壕の中で暮らし始めたものの、配給は途切れがちになり、食料も十分に得ることができません。

清太は、弱々しくなる節子のために食べ物を集めようと必死になりますが、その努力も虚しく、節子は栄養失調で亡くなってしまいます。その後、清太自身も三宮駅構内で衰弱死しました。

死の直前、意識が朦朧とする中でも、ずっと節子のことを考える、優しい兄です。

4歳で、清太の妹。兄の清太からは、母親の死を聞かされず、病院に入院していると誤魔化されていました。しかし物語の中盤で、叔母から母親が亡くなっていたことを聞いていたことが判明します。

節子は栄養失調のため体に汗疹などが出て、髪には虱がついていました。節子の身体は衰え、死の直前は清太の言葉もほとんど分からなくなり、おはじきをドロップと思い舐めるなど、思考力も落ちていました。

遺体は清太により、荼毘され、遺骨はドロップの缶に納められました。

西宮在住で、原作では清太の父親の従弟が夫でした。母親を亡くした清太と節子を引き取り一緒に暮らし始めますが、徐々に関係がうまくいかなくなります。結局、清太と節子は家を出ていきます。

家が焼け出されたら、お互いに面倒をみると約束しており、清太と節子、そして母も叔母の家に疎開する予定だったようです。

女学生。三つ編みの少女。

母親（叔母）が、自分達の食器にだけ米を与え、清太と節子には雑炊だけだった際に、居心地の悪そうな素振りを見せたシーンがあります。