無責任と言われれる一方で、責任感が強い人物との説もあります。

アシタカが村に戻らなかったのは、村を守るため。そしてタタラ場の人たちに恩返しをするためとの噂があります。

もののけ姫を制作する前から、「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「耳をすませば」などのヒットでスタジオジブリは高い売上をあげていました。そのため多額の税金を払うことになる予定でした。

そこで、多くの製作費をかけて、もののけ姫を作ったと言われています。会社の設備ではなく、映画にお金を掛けるとは、ジブリらしいですね。

タイトルについても、面白い話があります。宮崎駿監督は、もののけ姫ではなく、「アシタカ聶記(せっき)にしよう」とタイトルの変更を提案。しかし鈴木敏夫プロデューサーが「もののけ姫」というタイトルが気に入っていたため、そのままCMを作るなどして、押し通したそうです。

その後、宮崎監督から特に注意されることはなかったといいます。

2001年公開の「千と千尋の神隠し」。その主人公である千尋は、「もののけ姫」に登場するサンの子孫という都市伝説があります。ある資料には「サンが千尋の先祖」との記述があります。

また「千と千尋の神隠し」のハクは、「もののけ姫」のアシタカの先祖という噂もあります。この2つの映画がつながっているとは、なんとも興味深いですね。

「千と千尋の神隠し」では、湯婆婆がハクを操るために腹に忍び込ませた虫を「タタリ虫」と言います。

一方「もののけ姫」に登場する「タタリ神」は、人を憎んだイノシシが巨大化したものです。姿は異なりますが、同じような能力を持っています。

「もののけ姫」の主題歌は、宮崎駿監督が作詞しています。歌詞にある「悲しみと怒りにひそむ まことの心を知るは 森の精 もののけ達だけ」からも、アシタカの心の声をイメージして書かれたと言われています。

コピーライターの糸井重里は、ジブリ作品のキャッチコピーを多く手掛けています。もののけ姫のキャッチコピーとなった「生きろ。」にたどりつくまでは、案がことごとく没になり、かなりの苦難があったようです。

「もののけ姫」に登場する、山の神である「シシ神」。なぜ「シシ」という言葉がつけられたのか、そのヒントが物語にも出てきています。

ジコ坊が、アシタカと一緒にいるとき、「東の果てにアカシシにまたがり石の矢じりを使う勇壮なる蝦夷の一族ありとな」とのセリフを放ちます。

この「アカシシ」というのは、大カモシカのヤックルのことです。

「もののけ姫」は1997年に公開された映画ですが、宮崎監督は1980年に「もののけ姫」のアイディアをすでに考えていて、それをもとにした絵本が1993年に発売されています。

エボシはモロとの戦いにより、腕をもぎとられます。実はもともと、エボシは死んでしまう予定でした。ところが宮崎監督のお気に入りのキャラクターだったため、死なない設定に変えたそうです。

1980年に宮崎駿のイメージボードを描いていましたが、そのヒロインが「三の姫」でした。もののけ姫のストーリーとは違いますが、そこから「サン」という名前になったそうです。