伊調選手は勝敗などの結果よりも技術、試合の過程へのこだわりが非常に強い選手で理想とするレスリングは「今よりずっと高い技術力があり、偶然とか力ずくではなく、試合前にイメージしたとおりの展開になり、攻めるにしても、守るにしても、すべてが理にかなっている、説明のできるレスリング」でした。

女子レスリングと言えば吉田沙保里さんを思い出す人も多いでしょう。「霊長類最強女子」として有名な方で、伊調さんと比べられることも多い関係ですが伊調さんは「比べられることは気にしてない」語り、また「いつも私に気を遣ってくれて、助けてくれて。尊敬する先輩であり、自分にとってはありがたい存在です」とも語っていました。

伊調さんと吉田さんは対照的な性格です。吉田さんはテレビやラジオ出演などにも積極的で明るい雰囲気の方ですが伊調さんはマスコミも苦手で取材依頼があっても「練習の妨げになるから」という理由で極力避ける人です。
そんな二人はよく「仲が悪いのではないか」という噂がたびたび持ち上がります。
調べてみると明らかに「仲が悪い」という情報はありませんし確かに伊調さんは吉田さんに勝てなくて階級を変えた過去もありますが関係は比較的良好と見てよいのではないでしょうか。

伊調馨さんには姉の千春さんがいます。「伊調姉妹」として有名でしたよね。
千春さんは2017年現在は選手を引退し、青森県立八戸西高校で保健体育の先生をしています。
馨さんにとって千春さんの存在はとても大きく、千春さんがアテネ、北京で銀メダルになった時も「千春のために必ず勝つ」と誓って金メダルを獲得しています。

実は伊調さんは姉の千春さんと共にロンドン五輪の後引退を表明しているのですがカナダ留学の後再び現役復帰を宣言し、2010年の世界選手権で再び優勝しています。
そんな伊調さんですがリオ五輪でも金メダルを獲得した現在、東京五輪で再びメダルを目指すかというとちょっと微妙なところのようです。

伊調さんはずっとレスリング漬けの生活を送っていたために家に引きこもりがちだったようです。最近はもっと日常的な事に興味があるようです。

世界選手権代表を賭けた試合で川井梨紗子選手に敗退した伊調馨さん。実質、東京五輪への道が断たれたことになります。

その後の2019年9月におこなわれた取材では、第一線を退く旨を報告。

今後は指導者になる可能性が高いとみられています。